企業経営者と社員研修責任者の皆様へ

望月義博が、カーショップ、カーディーラーの皆様に
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第53回 リーダーシップについて考える
「その3 リーダーは率先垂範をすべきか」

今回はリーダーの率先垂範に付いて、戦国武将 甲斐の武田信玄と越後の上杉謙信を比較して考えてみたい。

でも、これは映画や小説から受けた両武将に対する私のイメージである。上杉謙信と武田信玄は長野県の川中島で激突するが、その時のリーダーとしての有り方は非常に好対照であると思う。

上杉謙信は、白馬に乗り抜刀して武田信玄の本陣を目指す。

「者ども、我に続け」

毘の旗をたなびかせた大勢の騎馬武者がその後に続き、一本の鋭い錐の様になって武田軍に突入してゆく。


一方、武田信玄は後方の小高い山の上で床机に座っている。持っている軍配を無言で振るうと全軍が突撃するのである。傍らには風林火山の旗が風になびく、

「我は此処に有り」

そばに控えるのは百足の旗印を付けた伝令部隊だ。


リーダーとして、どちらがあるべき姿なのか考えると、上杉謙信の方がリーダーとしてカッコイイと思っていた。領地を拡大する為の戦はしない、義の為に戦うのである。

「大義は我にあり」

いつも部下の先頭を駆ける、まさに率先垂範ではないか。しかし、先頭で普通の騎馬武者と同じ様に戦っていて、もし流れ弾にでも当たったら指揮系統が完全に乱れてしまう。

その様な場合、誰が代わって指揮を執るのか決めて、全兵士に周知徹底させなければならない。

そして、最も大事なことは、企業のリーダーも同じだが、部下をしっかりと掌握し、全面的な信用、信頼を得ていないと、突撃してもリーダーが唯一人、敵陣に突入することになる。

後ろに誰もついてこないのでは戦にならない。

企業の場合、リーダーは部署の皆で決めた小さなルール、掃除や集合時間等を真っ先に実行して見せる事が信用、信頼を生み、部下に「どこまでも、このリーダーの背中を見てゆこう」と言わせるのである。

先日、東京の上野で兵馬俑展を見た。8,000体の兵馬俑が発掘されたが、その中に8体の将軍俑があったそうである。秦の始皇帝の下には1,000名の軍団を率いる将軍がいたのだ。

武田信玄にも武田24将と言われる武将がいた。彼等が一軍を引き、武田信玄の指示の下に戦場を駆け回っていたのだ。リーダーには兵士を有効に戦わせる為の組織編成能力が必要となる。

企業でもリーダーとして、少人数のグループでは、リーダー自らの率先垂範は部下を纏める為の有効な方法だ。しかし、人数が増えると、組織を作らなければならない。リーダーの下にグループを作り、グループ長を選んで、具体的な戦術の実行は彼らに権限を委譲するのだ。

大勢の部下を持つリーダーの一番重要な仕事は、戦場を冷静に見渡し、脆弱な部署の補強を各グループ長と調整して行う。その時、グループ長からの信頼、信用は絶対的な条件である。

それがなくなると、武田家の終焉を例に挙げるまでもなく、グループ長が離反し、組織が崩壊してゆく事になるのである。

また、現場主義という言葉を勘違いして、先頭を駆けたがる大部隊のリーダーも多いが、「朝令暮改※」では現場が混乱するだけなので、絶対に慎むべきことである。

※朝令暮改(ちょうれいぼかい) 朝に命令を出して夕方それを変えること。法令が出てもすぐあとから改められて、あてにならないこと。

2016年2月3日



 


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