企業経営者と社員研修責任者の皆様へ

望月義博が、カーショップ、カーディーラーの皆様に
本当にお役に立てる研修について考え発信しています。

第87回 労働基準監督官がやってくる

働く人の味方だ。

憧れの職業として労働基準監督官の人気が急上昇しています。

今までほとんどの人は、この職業を知らなかったがTVドラマの「ダンダリン・労働基準監督官」や最近マスコミに注目されているブラック企業の摘発などから、その知名度が上昇しています。

違法な長時間労働や残業代の未払いがあると見做された企業が、労働基準監督署に是正されないと判断されると送検され、ブラック企業として企業名が公表されてしまいます。

法律では、労働安全衛生法の第3条に事業者の責務として、職場における労働者の「安全」「健康」が義務付けられています。「健康」は鬱病等で最近特に注目されていますが、「安全」については以前からずっと啓蒙活動を続けていても、まだまだ完全に認知されていないと思います。

タイヤを販売する場合には、組替作業が伴います。この組替作業はタイヤに空気を充填する時にコンプレッサーを使用するので、その使用方法や作業手順を間違えて事故を起こす事があります。

事故を起こすと怪我をして仕事が出来なくなってしまうだけではなく、不幸な事に毎年2~3名の方がタイヤの組替作業で亡くなっているのです。

法律で定められた危険な業務に従事する社員には、特別教育を行う義務があり、その危険な業務の中にタイヤに空気を充填する作業も指定されているのです。

特別教育はその教育内容まで規定されていて、自動車の整備士資格を持っている人は関係法令のみの講習ですが、一般の人の教育内容は、タイヤの知識から空気を充填する作業まで、実技4時間と座学5時間、合計9時間の教育が指定されているのです。

でもこの教育を実施しないで、先輩社員から簡単に教わったり、あるいは先輩の作業を見よう見まねで覚えて、組替作業をしている社員が多いのです。

そして、スタッドレスタイヤの交換時期など、繁忙期には残念ながら作業の安全性よりも作業効率を上げる方法を指導する先輩社員やリーダーが多いのです。

「ヒヤリ・ハット」「ハインリッヒの法則」を説明するまでもなく、今回の事故は指を挟んだだけで済んだかもしれませんが、同じ様な作業を続けていると、次は命を失う様な事故になるかもしれません。

事故による小さな怪我でも、今までは事故の噂から、企業イメージがダウンすることを恐れ、労働基準監督署に事故の届出をせずに、その怪我をした社員と話し合い、示談で済ませることもあったと思います。

でもこれからは「ゆがんだ愛社精神」よりも、法令を遵守する企業になる為に内部告発をすることが正義となる事でしょう。

リーダーの皆さん

タイヤの組替は簡単な作業だと思ってはいけません。今まで事故が起きなかったのは幸運が続いていただけなのです。事故が起こり、労働基準監督官が調査に来てからでは遅いのです。

監督官から、「なぜ、法律で規定されている安全作業の為の特別教育を行わなかったのですか」という質問に答えなければならなくなります。

タイヤの組替作業をするすべての人、正社員だけではなく、アルバイト、派遣社員、パート社員すべての人が対象です。

タイヤの組替作業を指示する前に、事故を起こさない為の安全作業の教育を受けさせましょう。コンプライアンスなのです、その事業に関する法律を遵守する事はリーダーの責務です。

当事務所でもタイヤの組替に関する安全作業の講習を行っていますのでご相談ください。


2017年7月19日



 


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