企業経営者と社員研修責任者の皆様へ

望月義博が、カーショップ、カーディーラーの皆様に
本当にお役に立てる研修について考え発信しています。

第114回 組織を守る為に

私の事は冷酷で非情な人殺し、として知られているだろう。

そう、私は人を殺した。

私は自分から罪を認めた、事件は私の分隊で起きた、私は分隊長だ。

何も知らなかったでは済まされない。

誰かが責任を取らなければならない。

これは上官から命令されて、実行したのではない。

あくまでも私個人が判断して行ったことだ。

誰に聞かれてもそのように話し、裁判でもそう証言した。

そして、刑に服した。

出所後、外遊したが心は荒んでいた。

これから何をしたらいいのか悩んだ。

私がすべての責任を被ったことで、その後、上部組織は以前と変わらぬ人間で以前と変わらぬ体制を保っていた。

私はようやく新しい舞台を見つけた。

五族協和による王道楽土、満州国の独立に奔走した。

そして、満州国の昼は関東軍が支配しているが、夜は私が支配していると言われるまでになった。

しかし、あの日が来た、昭和20年8月15日、私が人生を掛けて守った組織は暴走し、同じ様な過ちを繰り返し、ついに国家も組織も崩壊したのだった。

私は絶望し自死を選んだ。


空の上から見ていると、今の企業でも同じような事件がたくさんある。

品質データの偽装、品質検査の不正。

不正会計処理、粉飾決算、クレーム隠蔽。

不祥事が発覚すると私と同じようにその部門長が責任を取っている。

でも、この不祥事は経営陣も了解していることで、会社ぐるみの不祥事なのだ。

部門長は

「あくまでも私個人の判断でしたことです。
 上司に相談などしていません。」

とマスコミの前で説明し、退職してゆく。

トップリーダーは

「私は全く知らなかった、しかし私には監督責任がある。
 誠に申し訳ない。
 私はこの会社に残り、お客様からの信頼回復の為に組織の改革に全力を挙げたい。
 それが私の責任の取り方です。」

と言うのである。

でもこれでは、組織改革は出来ない。

腐った頭と、腐った組織は完全に排除すべきなのだ。

企業体質を変革する為には、完全に腐った組織を切開除去しなければ病巣は直ぐに転移する。

同じ様な不祥事がまた起きるのだ。

人は簡単には変われない。

組織を健全にする為には、内部告発と本当の事を話す勇気が部門長には必要だ。

部門長は不祥事を起こした企業のその後をよく見て学ぶ事だ。

私にはできなかったが、8月15日が来る前に、本当のことを話す勇気を出せ。

私は元陸軍憲兵隊大尉 甘粕正彦

大杉栄を殺した男だ。


2018年9月5日



 


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