タイヤ・販売研修事務所

企業経営者と社員研修責任者の皆様へ

望月義博が、カーショップ、カーディーラーの皆様に
本当にお役に立てる研修について考え発信しています。

第151回 欠品中、入荷未定です

マスクがない、トイレットペーパーがない、ティシュペーパーがない。

あの時と同じような事が起きています。

四十数年前にも同じ様な事がありました。

「オイルショック」

あの時、何があったのか思い出しました。

原油が枯渇する、原油が日本に入らなくなる、そうなったら、ガソリンやオイル、タイヤが不足するかもしれない。

トイレットペーパーや石鹸も不足するかもしれない。

では少し、買いだめしておこう。

それは夏の頃から始りました。

販売店からの注文がいつもより多く入りましたので、簡単に月間目標が達成できました。

翌月はもっとたくさんの注文が入りました。

上司からボリュームによる特別値引きを中止する指示が出ました。

「もう値引きは出来ないんですがよろしいですか?」

販売店の担当者からは、

「値引きがなくても、かまわないので出荷してください。」

との返事です。

入荷より注文のほうが多いのでバックオーダーを受けました。

上司からすべて通常価格で販売するようにとの指示が出ましたが、それでもどんどん注文が入りました。

上司からスロームービングやデッドストックと呼ばれる、いわゆる死筋商品を販売するようにとの指示がありました。

販売店の担当者に、

「この商品も買っていただけませんか。」

と話をすると、販売店の担当者から、

「それはセット販売ですか?」

と質問されましたが、

「いいえ違います、これはお願いです。」

と答えていました、でもセット販売だと相手が受け取ることを予想して話していたのです。

工場での生産は急には増えないので、大量のバックオーダーを受けていました。

販売店にどのような基準で配分出荷するのか、昨年の取引量、忠誠度 店内シェアーの比率、決済条件(手形か現金か)、この配分基準については議論をしました。

その時は、バックオーダーをした順番や注文量ではなく、日頃の取引量比率で配分する事が決まりました。

取引先の社長がバックに現金を詰めて買いに来た話や、全く取引のない商社の担当者が転売目的で買いに来た話もありました。

販売店からキックバックを受けている社員がいるらしい等の噂もありました。

その頃は新人であった私も販売店から逆に接待を受けたこともありました。

倉庫の在庫や入荷状況を見に来る販売店の社員がいるので、倉庫のシャッターを下ろせ、と言う指示が出ました。

また新人を含め営業マンは販売店に訪問をするな、電話対応とデスクワークをやれ、と言う指示も出ました。

年末には全社員に特別ボーナスが出ました。

私が営業は楽しい、簡単な仕事だと思たのは、年が変わって1月頃まででした。

緊急輸入等の対策により商品が順調に入荷するようになり、バックオーダーが解消されると、販売店から注文は全く入らない様になりました。

販売店を訪問して、お願いしても在庫がいっぱいです。

担当者からは、

「在庫があるので注文は出来ないよ、
 逆に返品できませんか。」

と言われたこともありました。

それからの一年は販売目標が全く達成できず辛い日々になりました。

通常価格よりも高額で商品を販売し、暴利をむさぼった小売店がお客様の反発を受けて、倒産するらしいとのうわさを聞きました。

やはり営業には誠意が必要です。

販売店の買いだめは需要の先取りをしていただけなので、最後には、供給過剰となる事が解っていましたが、ついつい目先の利益を追いかけてしまいました。

そして、そのツケが廻って来ただけなのです。

リーダーはパニックの様に混乱した状況でも、長期的な視点で判断をしなければなりません。

後から必ず、その販売姿勢は問われます。

最近のテレビニュースを見ながら、改めて、パニックの恐ろしさを実感し、昔のことを思い出していました。


2020年3月23日



 


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